【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第47章 *切ない試練【黄瀬涼太】*
しかし今っちが何処に住んでいるかなんて知らない。
聞いてみても答えてくれなくて困ってしまう。
何処かのホテルに泊めさせるといってもそれじゃ可哀想だ。
肩に彼女の重みを感じながら考えて……
出た結果が……オレんちだった。
「着いたっスよ。今鍵開けるから」
「……どこぉ」
「オレんちっス」
「……え?誰?」
「涼太っスけど……」
「嫌っ!!」
勢い良く飛び退かれ、オレは驚くと共にショックを受けた。
そんなにオレの事が嫌いなのかと……悲しくなって胸が締め付けられる。
おまけによろけたっちを支えただけでも振り払われてしまった。
オレは完全に嫌われてる。
そう思った。
「やめて…!何する気?!」
「っちの家知らないからとりあえず連れて来ただけっスよ」
「嘘!信じられない!」
「……そうっスね。オレにはもう信頼はないっスから」
「帰る!」
「待ってっち…!危ないっスよフラフラなんだから…!」
「うるさい…!放っといてよ!触らないで!」
このままではっちが闇の中に消えてしまう。
酔って無防備だし何が起こるかわからない。
それだけは避けたくて……オレはっちを引っ張って胸で受け止めた。
暴れまくる彼女は「嫌だ…!」って繰り返し言いながら押し返してくる。
でもオレは諦めない。
より力を込めて……っちを抱きしめ続けた。