【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第47章 *切ない試練【黄瀬涼太】*
さんside
【はーい!司会の黄瀬涼太っス!】
今日も私は……涼太が出てる番組にチャンネルを合わせた。
相変わらずだなと思いながら画面を眺める。
昔はこの人と繋がりがあったんだなと、テレビを見ながら切ない気持ちになった。
あの日……帰ってから私は大泣き。
「どうして……どうして……」って何度声に出しても誰も答えてくれなくて、凄く孤独を感じた。
楽しかった日々が一瞬にして真っ黒になって、目の前が見えなくなったんだ。
他の子に逃げたと言われても、本気で涼太を嫌いになれなかった私。
心の底から嫌いになれたら楽だったのに。
そうしたら今も彼を想う事なんてなかった。
新しい恋に踏み出せたかもしれない。
涼太じゃない誰かと愛し合えてたかもしれない。
でも……自分の隣りに居て欲しいと思うのは彼しかいないんだ。
もう手の届かない世界に飛び込んでしまった貴方を……私は今でも想ってる。
好きなの。大好きで忘れられないの……。
私はもう……画面越しにしか貴方に会えない……。
「ねぇ助けて……苦しいよ、涼太っ……」
今涼太は何を考えてる…?
私は貴方の恋人だったよ。
貴方と深い関係だったよ。
それだけは……忘れないで……。