【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第47章 *切ない試練【黄瀬涼太】*
けど……そんな幸せな日々は続かなかった。
なんでオレはあんな事をしたんだと、あの日からずっと悔やんでいる。
『えっ、何言ってるんスか?オレが女の子とキスしたって…?』
『そうだよ!私見ちゃったんだから!』
『あれは違うんスよ…!』
『涼太ってそういう人だったの?!』
『ちょっと待ってっち、落ち着いて』
『いつもいつも女の子に囲まれてヘラヘラヘラヘラ。最近私と居なかったのはそっちのが楽しかったからなんでしょ?!』
『……は?』
『言いたい事があるならハッキリ言いなよ!あんな人目の付きやすい場所でキスして抱き合うなんて……私を遠ざけるにしてもやり方が汚い!!』
この日の昼間、オレはっちじゃない女の子と2人で会ってた。
明らかに告白だっていうのは予想ついたし、言われても断るつもりだった。
けど……その子はオレにっちがいるってのを知ってても尚諦められなかったらしくて……
こっちがされたんだ、キスを。
背伸びしてまでオレに唇を差し出したものだから不安定で……バランスを崩してしまった所を支えてあげただけ。
それを素直に言って謝れば良かったのに……
『そこまで言うんスか?!』
『そうだよ!二股なんて良い度胸じゃない!そもそも二股で収まってるのかも疑問だよ!!』
『……もういいっスわ』
『何が!』
『あーそうっスよ、っちがオレに甘えてくれないから逃げたんスよ他の子に!』
っちが興奮してガーッと怒りをぶつけてくるものだから……こっちも乗ってしまったんだ。
本当は違うのに……オレにはお前しかいないのに……
嘘をついたんだ、オレは……。