【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第47章 *切ない試練【黄瀬涼太】*
『むぅ』
『しょうがないじゃないっスか、居なかったんだから』
『つまんない』
『でもオレがいるっスよ!』
『うわっ!もう直ぐくっ付くんだから……』
学校でもじゃれ合っていたけど、誰の目も気にしなくていい場所では更に拍車がかかってた。
オレが抱きつけば『甘えん坊』って軽くデコピンされたり、鼻摘ままれたり。
でもっちはいつでも優しい笑みを向けてくれてた。
声に出して笑う姿も好きだけど、静かに微笑む姿も同じくらい好きだ。
今でも思い出す。
『っちも甘えていいんスよ?』
『それは恥ずかしい』
『全く甘え下手っスね。ならオレが甘えさせてあげるっス……』
『待って…!キスするの?!』
『そうっスよ。ほら、目を閉じて……』
『んっ……』
甘えるのが下手……。
最初は物足りなくて拗ねたりしてたけど、っちはオレの押しには弱くて……
キスしちゃえば直ぐその気にさせられた。
熱い眼差しを向けるのはオレだけだってちょっとした優越感に浸ったり。
『あっ……ちょ、涼太っ……』
『っち……』
『ンン…っ』
っちと重なり合う事がオレの喜びだった。
1番幸せを感じられた。
彼女の想いが身体の中に染みていくようで。