【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第46章 *主将、鼻血を出す【笠松幸男】*
「寂しい」と言うが余計に小さく見えた。
真っ直ぐこちらを見るこいつの目には光るものが溜まってきているのが分かる。
オレは泣かせたのか…?と申し訳ない気持ちになって、目線を合わせるようにしゃがみ込む。
すると……はオレに抱き付いてきた。
一気に心臓が爆発する。
「先輩大好きですっ……」
「あっ、ああ……」
「けど先輩は……どうなんですか…?」
「は…?オレ…?」
「教えて下さい……不安なんです…っ」
何故不安に…?
その答えは抱きしめ返せていないオレの両腕にあった。
まだ1度も包んであげた事のないこの両腕。
はオレから何もしてこない事を不安に思っているらしい。
何度も伸ばしかけてはいたけど……結局は実行出来ないまま終わってしまっていた。
もう少し……後もう少しだけオレが慣れたら抱きしめようと考えていたけど、そんな悠長な事していられなくなった。
「好きに決まってんだろ、バカ」
「っ……先輩……」
「悪りぃ……」
がして欲しいと言うなら……
腕を回されると安心すると言うなら……オレは幾らでも抱きしめてやる。
ちょっと強めに力を込めているから苦しいかもしれないけど、こいつは幸せそうにして収まっていた。
そのなんとも愛おしい姿に、オレの身体がざわめき始める……。