【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第46章 *主将、鼻血を出す【笠松幸男】*
【笠松です。】
『クソッ……名前だけでいいのか…?』
あの日は練習の時、黄瀬に『いい加減に送ってあげて下さい!っち待ってるんスよ?!』と言われ、
つい『分かったよ!!』って返してしまったから……送る事にしたんだ。
あの2人の関係からして黄瀬がバラしそうだったから。
散々悩んで散々打ち直して……名前だけ打った画面と睨めっこしてたら……
『うおっ!!……あ!!』
いきなりメールを受信してビビった拍子に送信を押してしまった。
しかも届いたのは黄瀬からで、
【早くして欲しいっス!今直ぐっスよ!今直ぐ!】
と書いてあった。
あいつら今連絡取り合ってんのかよ…!
って思うと同時に、自分が既に【笠松です。】とだけ打った素っ気ないメールを送ってしまっていたのを思い出し、机に向かって項垂れる。
送信したんだから当然相手に読まれる。
今黄瀬と連絡取ってるなら内容をバラされる可能性が高い。
それを考えると……もう最悪過ぎて溜め息が出た。
せめてもう一言くらい添えてやれば良かったと思う。
『き、来た!早え!』
【メールありがとうございます!凄く嬉しいです。これからたまに送ってもいいですか…?】
【あっ!迷惑でしたら構いませんので…!】
女苦手とはいえ鈍感なわけじゃないから、こいつがオレに好意を持ってるというのは分かった。
なのに迷惑だったら構わないなんて……ああそうだな。なんて言えるわけがない。
だからオレは震える指で携帯を持ち、そして打ち間違いに気付かずにこう返信した。
【迷惑じゃい】