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【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】

第44章 *沢山のありがとう【黄瀬涼太】*


黄瀬side


オレは躊躇わずっちの頬に触れた。


この子の事を汚いなんて1回も思った事はない。
寧ろ直ぐ照れるから純粋だなって思ってた。


自分で自分を汚いなんて言わないで欲しい……。



「っちは汚くなんかないっスよ」

「でも私は…っ」

「その涙、いつでも拭ってあげるから」

「っ……」

「あの事が忘れられないなら……オレがそれ以上に幸せにしてあげるっス」

「黄瀬くっ…!」



そういえば初めて会った時以来泣いてるとこは見てなかった。

何度拭っても溢れる雫を見てると、相当我慢してたんだなと切なくなる。


顔もぐちゃぐちゃ。
オレなんてもう見えてないと思う。

ハッキリと気持ちを聞かされたわけじゃないけど、絶対っちはオレの事を想ってる。

でもオレも男だし、今自分がしようとしてる事をされるのは怖いかもしれない。


けど……今どうしてもこの腕で包んであげたくて……



「おいで、っち」

「うぅっ……」

「大丈夫、オレはこれ以上何もしないっスよ……」



手を引いて……っちを胸の中に飛び込ませた。

震える身体でオレにくっ付いてくれば、こっちも腕に力を込める。


〝ごめんなさい〟
〝ありがとう〟
〝好きです〟


何回も同じ事を言うっち。


そんな彼女の頭を撫でながら〝この先ずっとオレが守ってあげる〟って……そう強く誓った。
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