【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第44章 *沢山のありがとう【黄瀬涼太】*
「沢山蹴られてましたね……大丈夫でしたか?」
「平気っスよあれくらい」
練習中、もう自分の気持ちを誤魔化せないと思ったオレは決意した。
この帰り道でっちに告白しようと。
他の子とは違って新鮮な気持ちにさせてくれた相手だから……このオレでも多少は緊張している。
「今日も送っていただいてありがとうございました。じゃあまた明日……」
「待ってっち」
「黄瀬くん…?」
「まだ帰さねぇっスよ」
「え?」
「話があるっス」
どのタイミングで切り出したらいいのか分かんなくなっちゃって……気付けばもう家の前。
なんか気まずいから少しだけ家から離れてもらって、角を曲がった所で改めてっちと向かい合う。
キョトンと首を傾げて見上げてくるこの天使は男心を擽るのが上手い。
「コクられたんスよね、今日」
「えっ…!み、見てたんですか…?」
「いや、オレの勘っス。やっぱりそうだったんスね」
「あ……は、はい……」
「でも断った……どうっスか?」
「は、はい……私には……す、好きな人がいるからって……」
「それはオレじゃないっスか?」
「……ええっ!」
「そうっスよね?」
「あっ、そのっ、わ、私は…!」
「オレは好きっスよ、っちの事」
「え…?」
「もうずっと前からっス。っちと出会った時からずっと……」