【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第44章 *沢山のありがとう【黄瀬涼太】*
翌日。
オレはいつものようにファンサービスをしながら練習に励んでいた。
手を振る度に笠松先輩にシバかれるのはもうお決まり。
一体この身体は何回蹴られただろうか。
もはや数え切れない。
「ハッ…!!」
「どうしたんスか?森山先輩」
「あそこに可愛い天使が…!」
あ……また始まった。
森山先輩の周辺に居た人は皆、今のオレと同じ事を思ったに違いない。
オレには遠く及ばないけど、黙っていればイケメンの部類に入る森山先輩がまたもやターゲットを見つけたようだ。
それがあまりにもキラキラとした目で見てるものだから……なんとなく「どんな子かなー」と、オレも視線を向けてみる。
すると……
「あー!っち!」
「何?!知り合いなのか黄瀬!」
「知り合いも何も先輩、あの子はオレのっスよ」
そこには扉の影に隠れながらこちらを見ているっちが居た。
そのオドオドしている姿を見て胸がキュンとなったオレは、項垂れている森山先輩を放置して小走りで近付く。
恥ずかしいんだろうか、走り出した瞬間完全に身体を隠されてしまった。
「っち、何隠れてるんスか?」
「! き、黄瀬くん……」
「オレに何か用?」
「あ……えっと……き、昨日のお礼にって思って……」