【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第43章 *あの約束の前に【宮地清志】*
さんside
「キヨ……」
取り返したスマホ片手にポツンと部屋に取り残された私。
この孤独感半端ない。
キヨを……怒らせてしまった。
私が飛び付いてまで取り返したかったのは……見られたくなかったから。
スマホの画面明るくすれば高尾くんから来たメールが読める。
【今日泊まりっすよね?!チャンスじゃないですか!いい加減宮地さんにコクんなきゃダメっすよー!!】
彼は私の気持ちに気付いてて、よくこんなメールを送ってくる。
キヨと居る時に来たからドキッとして……それで慌てた。
こんなの見られたら気まずくなるに決まってる。
もう昔とは違って……そう簡単に好きなんて言えない。
沢山の女の子から呼び出し食らってコクられてるキヨを見て来たから。
私はみゆみゆみたいに可愛くない。
自信なんかあるわけない。
でも怒らせたままは嫌だ。
それに……幼馴染というのを利用してキヨと居るのはもっと嫌。
ちゃんとキヨの彼女として側にいたい。
あの約束……私は覚えてるよ。
なんて事言ったんだろうって今じゃ笑っちゃうけど……
そうなれたら幸せだろうなとは思う。
「その前に先ずする事がある……よね」
仲直りしなくちゃ。
謝らなくちゃ。
そして伝えなきゃ。好きだって。
キヨに冷たくされると……胸が痛い。