【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第42章 *オレとお前【青峰大輝】2*
けどそこはグッと堪えた。
腕を回す資格なんてもうないんだから。
オレの事なんてさっさと忘れてしまえばいいのに。
結局はこうして泣かせてるんだし。
自分じゃ笑わせてやれない
幸せにしてやれない……。
「……放せよ」
「嫌だ……」
「帰れねぇだろーが」
「嫌だっ……」
「っ……オレとお前はもうとっくに終わってんだ!こんな事されちゃ迷惑なんだよ!!」
でも本当は……違う。
抱きしめてぇ……
流れてるであろう涙を拭ってやりてぇ……
けどそれが出来ないから怒鳴る事しか選択肢がない。
傷付けるような言葉しか言えない自分が腹立たしい。
「ごめ……んなさい…っ」
「だったら早く放せよ」
「ううん…っ」
「てめぇいい加減に…!」
オレはつい……振り返ってしまった。
てっきりボロ泣きしてるかと思ってたのに……こいつはまだ目に溜めてるだけだった。
でもそれは直ぐに溢れ落ちる。
……笑ったんだ、オレを見て。
泣きながら笑うなんて変な顔にも程がある。
不細工だ。
けどオレは……もの凄く可愛いと思った。
どんな形であれ、には笑顔が似合う。
まあ……見れたのは一瞬だったけど。
見た瞬間身体が勝手にこいつを引き寄せてしまったから。
何ヶ月振りかに腕に閉じ込めた身体は……
小さくて……冷たい。