【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第42章 *オレとお前【青峰大輝】2*
「いやぁー偶然さっき会うてな?引き止めといたんや」
って、今吉さんは言うけど……絶対違う、偶然じゃない。
分かってて呼んだんだ。
何故かって……どことなく「してやったり!」って顔をしている。
「どういう事だよ」
「まあまあええやんけ。ほなワシらは先行くで。桃井ー」
「あ、はい!」
「おいさつき!」
「青峰君!ちゃんとちゃんを送ってあげてよ!」
「あん?!」
「じゃーねー!」
さつきが誘いにOKしなかったのもこの為かと思った。
「私じゃなくてちゃんと行って来なよ!」って事だろう。
だがしかし……と2人取り残されて気まずい。
送れと言われて更に気まずい。
こいつもどうしたらいいのか分からないらしく黙ったまま。
けど外は暗いし、1人で帰すわけにもいかない。
だからオレは久々にこいつに口を聞いた。
「行くぞ」
「え……」
「しょうがねぇから送ってやる」
スタスタと先に歩き出すオレ。
返事を聞かなくても、振り返って確認しなくても、
こいつは絶対着いて来ると確信していた。
現にちゃんと足音がオレにくっ付いてくる。
昔は並んで歩いたっけって考えたりもしたけど……
今は前後だ。