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【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】

第32章 *ずっと昔から両想い【福井健介】*



「出て来いよ」

「……やだ」

「このままじゃオレ帰れねぇだろ」

「……」



もうかれこれ1時間くらい経っただろうか。


一向に顔を見せないに参る福井。

いっそ今本当の事言ってしまおうかと悩んでいた。



「出てきたら……オレの好きな奴教えてやるよ」



何でそんな事わざわざ聞かなきゃなんねぇんだ!と布団の中でイラッとする。

福井じゃなかったら「誰誰?!」って飛び付いていたかもしれない。


でも……違う。相手は“福井”だ。



「聞きたくない」

「じゃあ一生そうやってんだな?」

「……」

「ハァ……。もうめんどくせぇから言うけど、オレの好きな奴は、」

「やだぁぁ!!言うな馬鹿!!」

「ハァ?!何でだよ聞けっつーの」

「ヤダよ聞きたくない!健の好きな人が……私じゃないなんて事……」



自分で言って悲しくなったはまた涙で布団を濡らす。

嗚咽を堪えながらひたすら「泣くな…!」と自分に言い聞かせている。


一方布団の外に居る福井はもう腹を括っていた。


伝える勇気とタイミングがなくて今まで流していた自分の気持ちを……ちゃんとに伝えようと。


相手は幼馴染だし、結果は分かってるけど……


「好き」と伝えるのはやはり緊張する。
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