【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第32章 *ずっと昔から両想い【福井健介】*
は怒っているというより、
悲しい、怖い、悔しい、不安という感情を抱いていた。
ずっとずっと好きでいる福井に告白も出来ず、ただ側に居る事しか出来ない自分を激しく責めていた。
私はアンタが好きなの!
って意思を何度も送っているのに……
福井は知ってか知らずか、特に反応を見せてくれた事はない。
「嘘言うかよ。……オレ好きな奴いるし」
「ええ?!」
今の発言はの心にグサリと突き刺さった。
福井が照れながら話したから尚更グリグリと深く刺さってくる。
“誰”と聞いてないのに自分じゃないと思い込んでしまったは、目に涙を溜めて布団に潜り込んでしまう。
「おいどうしたんだよ」
「っ……うっ、さい…!」
なるべく泣いてる事を悟られないように強く言う。
だが震える声は隠しきれなくて福井にモロバレ。
彼はの事を言っただけ。
福井もずっと昔から想って来たのである。
それにの気持ちに福井は気付いていた。
けどハッキリ言わなかったが為に泣かせてしまって「悪い事したな」と、福井は罰の悪そうな顔をした。