第9章 そんなふうに想われても
智「ね、皆来ちゃったから、歩ける?」
大野の言葉に頷いた。
智「うし!デートすっか!
放課後デート、んふふ(フニャ)」
「…………」
大野は私を体から離して、
手を繋いで歩いた。
智「おいらね、行きたいとこあんの。
いってもいい?」
「…………コクリ」
智「やった!」
「…………」
何にも、喋れなかった。
口を開けば涙がでてきそうで、
大野の目も、見れなかった。
智「今日ね、翔ちゃんがね、」
俯いて、大野の話を聞いてた。
普段は私が話すのに、
いっぱいいっぱい話しかけてくれる大野に
また、胸が痛くなった。
智「そんでね、おいらが翔ちゃんに
真顔で好きって言ったらさ、
翔ちゃんマジで顔真っ赤にして、
"お、俺は男だあああああ"って(笑)(笑)」
「…………んふふ(笑)」
しょーちゃん、、、(笑)(笑)
智「走ってどっか行っちゃったんだよ(笑)
おかしいでしょ?(笑)」
チラッと横目で大野を見ると、
幸せそうに笑ってて、
智「どっかぬけてんだよね、翔ちゃん(笑)」
大野が、幸せそうにするから、
私まで幸せな気分になる。
大野に申し訳ないって気持ちも、
ちっちゃくなって、
それ以上に、
楽しいって思える。