第8章 あなた想う気持ちに変わればいいのに
私の好きな人は、
さとし。
だけど、
大野も大切だって思う、から。
……なんで?
側にいてくれる手とか、
笑った顔とか、
雰囲気とか、
そっか。
似てるんだ。
だから、大野の前だと泣けちゃうんだ。
安心するんだ。
側にいて欲しいって思うんだ。
そっか。
"あたしのこと好きっていってくれる人"
あたしは大野をそーやってみてたんじゃなくて、
"あたしの大好きな人に似てる人"
そーか。
最初から、
大野を通してさとしを見てたんだ。
雅「……おい!!」
「はっ!!!」
雅「またどっかいってたっしょ(笑)」
「ごめんごめん」
雅「ほんと、なんかあった?」
「ねぇ、まさきち」
雅「なに?」
「たとえばさ、」
雅「うん」
「自分の彼女が、
自分を通して別の誰かを見てたらさ、
どうおもう?」
雅「……え、?」
「たとえばね!たとえば!!」
雅「うーー、ん」
「……」
雅「ショックだよなぁ~
俺のこと見てよっていっちゃうかも。」
「……だよね~」
そーだよね。
あたしもそうだとおもう。
やっぱり大野とは、別れた方が……
雅「……あっ、でも!」
「ん?」
雅「大ちゃんなら、
そんなの関係ないって言うんじゃない?」
「…………なんで?」
雅「さぁ、本人に聞いてみたら?」