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私の恋色 -BLUE-

第2章 2人の最悪な男


その後テストもホームルームも終わり、私達は途中まで一緒に帰った。


「じゃあまた明日。」
「うん!ばいばーい。」


赭莉ちゃんは手を振って横断歩道を渡っていった。

私は横断歩道を渡らず、自分の家がある団地のほうへ歩いていった。




音楽聴きながら帰ろうかなーと思ってスマホを取り出すと、電話がかかっていることに気付いた。

画面には、『竹本透(タケモトトオル)』と表示されていた。




その瞬間、全身に緊張が走った。


彼の名前を見るだけで、緊張してしまう。




出るべきか否か…悩んでいたら切れてしまった。

少しほっとして、もう音楽聴かなくて良いから早く帰ろうと思ってスマホをしまった。




顔を上げると、少しさきのところで道が塞がっていた。


…というより、意図的に塞がれた。


琴ヶ崎高校の制服ではない男子生徒10人ほど──多分あの制服は北山高校──が、道を塞ぐように立ってこちらを見ていた。

周りを見回すと、人が全然いなかった。


なんとなく怖かったので、引き返そうとしたら後ろから腕を掴まれた。


「お前琴高?超美人じゃん。」

「……。」


怖くて何も言えずにただ相手を見上げていた。


「びびって何も言えなくなってんじゃん!超可愛い。」


そう言って思いっきり腕を引かれた。


「嫌っ!」


頑張って抵抗するけど、彼は片手でしか私を掴んでいないのにびくともしなかった。
それどころか逆に私を引っ張っていく。


「あんなぁ、ここらへんを琴高の女が1人で歩いていたら襲ってくださいって言ってるようなもんだぞ?」

「な…にそれ…。」

「大丈夫。薬飲めば怖くないから。」


そう言って更に腕に力が込められた。


「やっ…!やめて!」


薬っていうのが良くないものを指すことはわかる。
麻薬かも知れないし、媚薬でも飲まされて襲われるかも知れない。


「誰かぁ!助けっ…」

「でけぇ声出すな!口塞ぐぞ。」

「んんっ!んー!」


私はタオルで口を塞がれた。
どうしよう本当にまずい。

でも誰にも助けられることなく、私はあっけなく人気のない廃屋に連れて行かれた。

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