第2章 2人の最悪な男
教室に戻って赭莉ちゃんと喋っていると、ふと近くから「野々下が…」みたいな内容が聞こえた気がして2人で声がするほうをみた。
男子数人が騒いでいる。
『野々下赭莉と橋本蒼子、めっちゃ可愛いよな。』
『俺清楚な赭莉ちゃん派かな。白雪姫みたいで可愛い。』
『俺蒼子ちゃん派!クールビューティでスタイル良いし。』
『橋本さんは背高すぎかな…。』
『お前がチビなだけだろ!』
「「……。」」
私と赭莉ちゃんは顔を見合わせた。
そして同時に吹き出した。
赭莉ちゃんが言った。
「中学校では全然モテなかったのになぁ!」
「えっ!?嘘でしょ!」
「本当~。バレー一筋だったもん。」
「じゃあ中学校の間彼氏は…?」
「それが残念ながらね。」
こんなに可愛いのに彼氏がいなかった!?
そんなことあるの!?
「それ本当?」
「本当だってばー!蒼子ちゃんは?」
「え?」
「蒼子ちゃんこそ、彼氏いたでしょ?
あっひょっとして現在進行形!?」
私は言葉に詰まった。
「えーっと…中3の夏に別れたよ。」
「えーじゃあ今は彼氏いないの?」
「いないよー。ところでさー…」
私はなんとか話を反らした。
あんまり、あの人については…考えたくないな。