第2章 2人の最悪な男
しかし、話がかなり良いところで先生の怒鳴り声が教室に響いた。
「おい!整列時間とっくに過ぎてるぞ!廊下にさっさと並べ!」
皆慌てて廊下へ飛び出す。
「あの先生、生徒指導の山下先生だよ。この学校で一番怖いらしいよ!」
廊下に整列した後、赭莉ちゃんがこそっと教えてくれた。
確かにあの怒鳴り声は迫力あるなぁ…かなり怖かった…。
入学式が終わり、赭莉ちゃんと喋りながら教室へ帰っていると、赭莉ちゃんの肩を誰かがつついた。
「あっお兄ちゃん。」
振り返ると、背の高い黒髪のマッシュボブの男の人が立っていた。
「あ、紹介するね。私のお兄ちゃん。」
「野々下恭(ノノシタキョウ)です。赭莉のことよろしくね。」
「はい!橋本蒼子って言います。」
さすが赭莉ちゃんのお兄さん…超イケメン。
身長は……180センチくらいありそうだ。
なんて考えていたら恭さんの後ろからまたもイケメンが出てきた。
「あっ赭莉ちゃん!今日も可愛いね~。」
「やだもう~!相変わらずですね!
…あっ、蒼子ちゃん、この人も紹介しとくね。
お兄ちゃんの友達の西原真也(ニシハラマサヤ)さん。」
「橋本蒼子です…。」
この人、女なれしてる感がすごいな……。
「えっ!超美人!!蒼子ちゃんね、よし。」
何がよしなのだろう。
「なんか君ら美女コンビだね。
赭莉ちゃんが可愛い系美少女って感じで、蒼子ちゃんが綺麗系美女だよね。」
「真也、蒼子ちゃん引いてるから。
ごめんね蒼子ちゃん。」
そう言って恭さんが真也さんを引っ張っていった。
「またね~赭莉ちゃん蒼子ちゃん!」
真也さんは引っ張られながら手を振った。