• テキストサイズ

私の恋色 -BLUE-

第2章 2人の最悪な男


ドキドキしながら、自分の席へ向かう。

そしてついに野々下赭莉ちゃんの机まできた。


……が、私は結局勇気が出ず、目を合わせることもないまま自分の席に着席してしまった。


あぁ私の意気地なし…!

自分を呪いながらリュックから筆箱やら単語帳やらを取り出す。

しょうがないから入学式の後のテストの勉強でもしてようかな、と思って。


周りを見ると、結構勉強してる子はいる。
琴ヶ崎高校は県内公立高校で偏差値2位の進学校だ。


でもさすがにいきなり勉強し始めるのは気が引けるなぁ…。


と思ってスマホを取り出そうとしたら、前の席の野々下赭莉ちゃんが振り返った。


そのとき初めて、野々下赭莉ちゃんが超美少女だということに気付いた。

真っ白な肌、ぱっちりした目、ピンクの唇。白雪姫って言葉が似合う顔立ちをしている。
ダークブラウンのサラサラの髪をえんじ色のリボンバレッタでハーフアップにしている。


「橋本蒼子ちゃん……だよね?
 席に着く前に座席表で名前確認してたんだ。

 私、野々下赭莉!
 この席、周りに女の子蒼子ちゃんしかいないから仲良くしてね!」


そう言って彼女は少し頬を赤く染めて微笑んだ。




な……なんて美少女!!


「私も赭莉ちゃんしか周りに女の子いなかったから仲良くしたいと思ってたの!よろしくね。」


私は嬉しくなってちょっと声が弾んだ。

だってこんな美少女と友達だよ?嬉しくなるよ!


「蒼子ちゃんどこの中学校?」

「私はねー佐賀原中学校。赭莉ちゃんは?」

「私は宮ノ坂中学校。佐賀原ってバレー部が全国行ったとこだよね!」

「そうだよ!なんで知ってるの?」

「私、バレー部だったの。」

「えっ!?見た目とギャップ!」

「ひどー!運動できなそう?」

「というか、文化系っぽいよね。」

「これでも正セッターだったんだよ。」

「すごい!」


そこから私達は初対面と思えないほど話が盛り上がっていった。

/ 51ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp