第3章 元彼を諦めるには
「……。」
「…………なに?」
「なんでキスしたの?」
「したかったから。」
そう言うと幹也は平然とした態度で私の向かいに座った。
「早く食えよ。」
「……頂きます。」
私はスプーンで、幹也の作ったらしいチャーハンをすくった。
ちゃんと美味しくてパラパラしてるから驚く。
「幹也って料理得意なんだね。」
「まぁ、チャーハンぐらいだけど。
親いないから自分で作ることのほうが多いし。」
「あ、そっか、海外だったもんね。」
お腹が空いていたこともあり、私はチャーハンをすぐに平らげた。
「ごちそうさま。
お皿、私に片付けさせて?」
「いーよ。
その皿一枚に洗剤使うのもったいないし。」
「これ作った鍋とかは?」
「さっき片した。」
「……じゃあお言葉に甘えて。」
幹也はお皿を水につけると、リビングのテレビをつけた。
ソファの上に座って、私を手招きする。
「ソファの上でやるの?汚れるよ。」
「あ、やっぱヤりたいんだ。」
「違うけど。」
「ヤりたくなかったらさ、あの電話の流れで今日来ないんじゃねーの?」
「……あのね、ヤりたくないわけじゃないよ。
ヤりたいわけでもないけど。
でも、なんか断れなかったから来た。」
「ふーん。」
「…………。」
「……………………。」
「………………………………。」
「…………………………………………座んねーの?」
「ヤらないの?」
「ヤりたいの?」
「違うってば。」
なんだかおかしくって吹き出してしまう。
私は幹也の隣に座った。