第3章 元彼を諦めるには
私が思うに、良介は幹也に彼女が出来て欲しすぎて、私と幹也が良い感じに見えてるだけだと思う。
だって私、透が好きだもん。
……なんて思いつつも、私の足はなぜか幹也の家に向かってしまった。
……私ってなんなのかな、と思いながら家のベルを押す。
『……開いてる。』
そう言ってインターホンが切れた。
来いってこと……だよね?
私はドアを開けて、幹也の家に上がった。
「遅ぇよ。」
そう言いながら幹也がお皿を机の上に並べていた。
「それ食って。」
そう言って幹也は私の一番近くの椅子を引いた。
「良いの?」
「ん。」
「毒入り?」
「んなわけ。」
私がリュックを下ろそうとすると、さりげなく受け取って隣の椅子に置いてくれた。
こういうところが幹也のイケメンなとこだよなぁ……。
と思って幹也を見上げると、いきなり何も言わずにキスされた。
……それも一瞬、唇と唇が触れるだけ。