第3章 元彼を諦めるには
カーテンの隙間から漏れる光が私を起こす。
昨日はかなり早く寝たのに起きる時間はそんなに変わらない。
大きく伸びをしてベッドから出る。
今日は土曜日。
琴高は土曜日の午前中は授業があるため、私は制服に着替える。
なんだか今日は妙に体が軽いなと思ったら、昨日は幹也と何もなかったからだと気付いた。
…………なんだか、あの幹也と何も起きなかった事って、妙に照れくさい。
あのカフェにいる間、私たちはカップルにでも見えてたかな。
なんてぼんやり考えていると、メロンフロートを食べる幹也を思い出して、小さく吹き出してしまった。
ちなみに土曜日は、夕方頃に私が幹也の家に行っている。
最初は午前中で授業が終わるなら、お昼に迎えに行くと言われたけど、そんな真っ昼間からヤるほど私に体力はないので夕方落ち合うということになっている。
…………なってるんだけど。
「…………はぁ?」
授業が終わり、ガヤガヤする教室では、私の思わず漏れた声はかき消された。
今から帰ろうと思ってスマホを開いてみると、幹也からのラインがあり、恐る恐る開くと、
『終わったらすぐに来い』
……と、まぁなんとも端的な内容だった。
ていうかすぐ来いってなによ!
『お昼ご飯も食べたいしちょっと待って』
と送るや否や既読がついた……と、同時になんと電話がかかってきた。
幹也からの電話は初めてなので、若干緊張する。
私は軽く息を吐き出して、『応答』をタップした。