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私の恋色 -BLUE-

第3章 元彼を諦めるには



「……もしもし。」

『終わった?』

「うん。」

『早く来い。』


字面と変わらず端的に言われる。


「なんでよ!
 せめてお昼ご飯食べてから行きたい。」

『待てない。飯なら俺んちにあるから。』


……?
なんだろう、なんか今日の幹也、急かしてくるな……。


「……今日どうしたの?
 あっ、昨日何もなかったから反動きたんでしょ?」

『…………早く来いよ。』


幹也の声が少し低くなったので、やばい、と思った。


「……怒ってる?」

『怒ってない。』

「まぁそんな脅さなくても行くけど……。
 だってあの写真あるもんね。」


私は軽く笑いながら言った。

が、次の幹也の返答は予想もしない一言だった。


『……あぁ、あの写真?
 とっくに消したけど。』

「……えっ!?」


思わず大きな声が出てしまい、周りのクラスメートが振り返る。

思わず口を抑えると、ニヤニヤしてる良介と目があった。


「蒼子っ!
 電話のお相手はもしかしてー??」

「えっ?
 蒼子ちゃんって彼氏いたの!?」

「まじかよー知らなかったー!」

「な、ちょ、良介!」

『……蒼子?』

「あ、ごめん!
 ていうか、消したってなに!?」

『そのまんまの意味だけど。
 あの写真、無くても続く流れだなぁーって思ったから。』

「……えっと……それってつまり、私、行かなくても身の安全は大丈夫……ってこと?
 写真の悪用とかしないってこと?」

『悪用ってなんだよ。
 まぁ、そうだけど。

 じゃあ、もう蒼子こねぇの?』

「……っ、」


そう言われて、思わず言葉に詰まった。

幹也にもう会わなくて良い。
幹也にもう抱かれなくて良い。

それは、
幹也に会えなくなる。
幹也に抱いてもらえない。


あれ……………?

私の中で、何かがごちゃ混ぜになり始めた。


『…………わかった、とりあえず俺が来て欲しいから来い。』

「……えっ?なにその横暴……。」

『……じゃ。』


そう言って幹也は電話を切った。

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