第3章 元彼を諦めるには
私は目の前にあるバニラアイスが盛られたミルクティーに目が輝く。
「では幹也さん。ゴチになります。」
「おう。」
私はうきうきしながら食べ始めた。
幹也はアイスをスプーンで潰すようにメロンソーダと混ぜている。
「ところでさ。」
「なに?」
「元彼クンどうなったの?」
「あぁ…透なら最近かけてきてないよ。
多分やっと飽きてくれたっぽい。」
「それ飽きたとかじゃねーだろ。」
「えっ?」
手を止めて幹也を見るとスプーンで緑色のアイスをすくっていた。
「もうすぐGWだろ?」
「そうだね。」
「あいつが会いに来るつもりだったらどうすんの?」
「…でも、透私の家来たことないから知らないと思う。」
「琴高来たら会えるじゃねえかよ。あれだろ?
どうせ琴高のことだから補習あるんだろ?」
「…仰るとおりです。」
「まぁ、お前良介と席前後らしいし、学校にいる間は大丈夫だろ。」
そう言って幹也はメロンフロートを口に入れた。
「なんかさ、幹也。」
「ん?」
「やっぱり似合ってないよ、メロンフロート。」
「……。」
彼はもう何も言わなかった。