第3章 元彼を諦めるには
「……それってさ、私と会ってない日はいつもバイトしてるの?」
「そうだけど。」
「他の女の子と寝てないの?」
すると彼は意表を突かれたような顔になった。
そして考え込むような表情をして言った。
「…とりあえず注文してくれ。」
そう言われて私はメニューのバニラミルクティーを指差した。
「すいません。」
「はーい。」
幹也が声をかけると、さっきの女の人がやってきた。
「バニラミルクティーとメロンフロート1つ。」
「はい。少々お待ちください。」
私はびっくりして幹也を見つめる。
「メロンフロート?幹也が?」
「なんだよ。」
「案外お子様なんだね。」
「……明日どうなっても知らねえからな。」
やば、と思ったけどもうそのセリフ何回も言われたし、もう諦めよう。
「ここなら校門と違って勉強しながら待てるから良いかなと思ってたんだけどなー?」
「えっ?」
「蒼子のことちゃんと考えてたんだけどなー?」
「うっ嘘!ごめんなんかからかいすぎちゃって!」
私は慌てて謝る。すると幹也はぷっと吹き出した。
「お前って美人だけど面白いよな。」
「……馬鹿にしてる?」
「褒めてんだよ。」
そこへ注文した品が運ばれてきた。