第3章 元彼を諦めるには
「お前らその勢いで付き合ったりしない?
美男美女でお似合いだし、俺もとばっちり受けなくなるんだけど。」
「とばっちり?」
「俺、高校別れてからも幹也とけっこう遊んでるんだけど、そのせいで俺まで幹也みたいなやつだと思われててさー。
幹也に飽きられた子が言い寄ってくるからやめてほしいんだよね。」
「……良介って幹也みたいなやつじゃないの?」
「うわっ!今一気に俺の蒼子に対する株落ちたわー大暴落ー。」
なんだそれ、と思って笑っていると、後ろから声をかけられた。
「お前ら、仲良いな?」
彼は相澤太郎(アイサワタロウ)。
かなり普通の名前だけど顔は普通じゃない。
かなりイケメンだし、無造作にセットされたような髪型は実は天然の癖っ毛。
運動神経が優れていて、普段のだるそうな態度からは想像できないほど、体育のときだけやる気満々。
そのギャップが女子にはたまらないんだとか。