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私の恋色 -BLUE-

第2章 2人の最悪な男



ドクン、と心臓が波打った。


「……透、もう電話してこないで。」


言わなきゃ、はっきりしなきゃ。


『…蒼、服の擦れる音がするけど。』


思わずびくっとした。


「だからなに?」


『入学式翌日なのにもう誰かとヤったの?淫乱に調教しすぎたかな…。』


「…っ!!」


声にならない声で叫ぶ。


『ねぇ蒼?俺寂しいんだけど。
 蒼と別れるまで気付かなかったけど、俺やっぱり、蒼が良いんだ。
 心も、体も、蒼が一番合うんだ。』


「…透、もうやめて。」


『なんで?
 やめてほしいのは、心が揺さぶられるから?
 それって、まだ俺に気があるんだよ?

 ……蒼、心配しなくて良いから。
 今度こそ蒼を守るよ。』


「透…。」


そんなの嘘だよって言う自分と、無理せずまた透のもとに行っちゃいたいっていう本音が揺らぐ。


『蒼、好きだよ。』


「…っ」


なんて、答えたら…。

そう思った瞬間、部屋のドアが開いた。


「…!」


幹也は私に歩み寄ると、私のスマホを取り上げて深いキスをした。


「あぁんっ…んんっ、ん。」


さっきまで頭の中は透一色だったのに、幹也のキスが気持ち良すぎてそれどころじゃなくなる。

かなり長いキスのあと、彼の手のスマホを見ると、まだ通話中と表示されていた。

つまり、あの唾液の絡まる音も、私の喘ぎ声も聞かれていたということ。


「…お前、忘れたいって言ったよな?」


幹也が私の顔をのぞき込むように言う。私は頷く。


「うん、言った…。」

「俺、忘れさせてやるって言ったよな?」

「…うん。」


私の返答を聞いた彼は、笑顔で私の頭を撫でて、私のスマホに向かって言った。


「だって元彼。聞いた?」

『…お前さぁ、入学式翌日に人の女寝取って何しちゃってんの?』

「女取られるようなことしてんなよ。」

『…蒼に変われよ。』

「変わるわけねーだろ。」


そう言って彼は電話を切った。

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