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私の恋色 -BLUE-

第2章 2人の最悪な男



髪の毛を優しく撫でられている気がする。

あーなんか今すごく気持ちいい。

このまま起きたくないな…。


って思って目を開けると、幹也が私の髪を梳くように撫でていた。

でも、顔と体はこっちを向いていない。

ベッドの上に腰掛けて電話している。


「また今日もヤんの?家に女連れ込むのやめてくれねーか…。」


 ……自分はどうなんだ。


「んなわけねぇだろ。
 部屋出るのも苦労するから嫌なんだよ。
 ホテルでも行ってろ。」


それから二言三言話して幹也は電話を切った。


「……あれ、起きてたのか?」

「……さっき目が覚めた。今何時?」

「6時ぐらい。親大丈夫?」

「親いないよ、仕事の都合であんま会えてない。」

「じゃ、まだまだできるな。」

「もう疲れた…あのあと何回ヤったと思ってんの…。」


彼は軽く笑いながら私の頭を撫で続けた。


「……なんで幹也さ、私のこと抱こうと思ったの?」

「そりゃ助けた見返りに欲求不満の相手してもらおうと思ったからだよ。」

「……でも、そういう女の子他にもいるんでしょ?
 だって幹也モテそうだもん。
 言い寄って来る子、多そう。」

「……まぁ、お前感度良さそうだったし、顔も良かったから。」

「……最低。」

「そんな最低男にヨガってたけどな、お前。」

「…っ!」


言い返せなくて言葉に詰まる。

と同時に私のスマホから着信音がした。


「あ…。」


取ろうと思って起き上がると、幹也が取ってきてくれた。


「…ちょっとは隠してほしいんだけど。」

「今更だろ。
 俺服着てくるから、お前も着てろよ。」


幹也は何も持たずに部屋を出ていった。

今更とかそういうことじゃないけど…と思いながら私は丁寧に畳まれた自分の制服を手に取りつつ、誰からの着信かも見ずに電話に出た。


「はい。」


『蒼。さっきはどうしたの?』

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