第2章 2人の最悪な男
「赭莉ちゃん照れてる~可愛い~。」
「もう…蒼子ちゃんに好きな人ができたら絶対おんなじことしてやる…。」
そう言って赭莉ちゃんは顔をぺちぺち叩いて冷やそうとする。可愛いなぁ。
「で?いつから好きなの?」
「……琴高合格してから。」
「へぇー!」
「たまたま遊びにきてて…そのとき久しぶりに話して、段々仲良くなって…。
でも、真也さんって1つ年上だし、モテるし、失恋する前に諦めようって、今努力してる。」
そう言って赭莉ちゃんは切なそうに笑った。
「えっ…そっちの努力してるの?
赭莉ちゃん可愛いし、頑張ってアタックしなよ!」
「無理だよ~…だって真也さん、彼女絶対に作らないんだもん。」
「?なんで?」
「…元カノを諦めきれないんだって。」
「え。」
「え?」
「あんなにすれ違う女の子口説いてるのに?」
「あぁやって気を紛らわせて諦めようとしてるんだって。」
「へぇ…。」
「…でも、私、そりゃあ付き合えたらな、って考えることもあるよ。
でも、失恋するのが怖いの。
頑張って良い雰囲気になっても、元カノさんがヨリ戻そうとして帰ってきたら、絶対そっちにいっちゃう。
そんな辛いの、嫌なの…。」
「赭莉ちゃん…。」
赭莉ちゃんは恥ずかしそうに笑った。
「ま、早いとこ好きな人つくっちゃえば良い話だけどね!」
そう言って彼女は、再びサンドウィッチを食べ始めた。
明らかに空元気なのが伝わってきて、苦しかった。