第2章 2人の最悪な男
私は幹也のことを考えながら学校に向かっていた。
なんで私のこと助けてくれたんだろう。
あの不良達に名前を聞いただけでビビられるほどの人……っていうのも正直謎。
有名なのかな?
どっかのおぼっちゃん………とか?
「あっ?蒼子ちゃんじゃね?」
玄関で上履きを履いていたら、真也さんに会った。
「おはようございます、真也さん。」
「名前覚えてくれてた?嬉しいー。」
真也さんは力なく笑った。
「…?真也さん?」
「あー…寝不足なんだよね、最近。」
「大丈夫ですか?」
「優しいー蒼子ちゃん。ありがと。」
そう言って彼は私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「じゃあね。」
真也さんはさっきより少し元気そうに笑って階段をのぼっていった。
…という話を赭莉ちゃんに話した。
「真也さんが?いがーい!」
ちなみにただいまお昼休み。
赭莉ちゃんは女子力の高い手作りサンドウィッチを食べている。
「…と言いたいところだけど、実は真也さん、学年上位の成績だからね。
連日徹夜で勉強してるんだと思うよ。」
「え…意外……。」
「でしょ?でも真也さん、理系超特進だからね。」
「えっ!?」
理系超特進とは、琴ヶ崎高校の理系の中の特進の中の更に特進と呼ばれるかなり頭の良いクラス。
本当は自然型特別進学コースって言うんだけど、通称理系超特進で名が通っている。
「頭よくてイケメンで女の子の扱いわかっててすごくない?」
赭莉ちゃんがちょっと嬉しそうに言う。
「……もしかして赭莉ちゃん?」
「ん?」
「真也さんのこと……」
「わあーー!それは言っちゃ駄目!!」
そう叫んで赭莉ちゃんは顔を赤くした。