第2章 2人の最悪な男
私は目が覚めると、ベンチの上で寝ていた。
周りを見回すと、私が乱れたあとがある場所を見つけ、段々自分がどうなったか思い出した。
途中から記憶ないけど、知らない人の前で何回もイっちゃったな…。
名前、森崎幹也って言ってたっけ。
体を起こすと、学ランが私に掛けられていたことに気付いた。
はて、と思ったけど恐らくあの赤茶色の髪の、彼のものだなと思った。
「お、目ぇ覚めてたのかよ。」
すると男の子の声がして、思わずびくっとした。
さっきのさっきで、かなり怖かったから。
声がした方をみると、あの赤茶色の髪の人だった。
…ってあれ?全然気付かなかったけど、この人顔立ち綺麗すぎじゃない?
今日会った恭さんと真也さんもかなりのイケメンだったけど、この人はなんていうか、イケメンの一個上の格というか。
スタイルも良いし、俳優みたい。
「ん。」
そう言って彼はビニール袋を私の膝の上においた。
「俺向こう向いとくから。」
どういうことだろうと思って中身を見ると、コンビニのショーツとミネラルウォーターが入っていた。
思わず彼の方を見たけど、こちらに背を向けて誰かに電話していた。
私はベンチから降りて自分の履いていたショーツを脱いだ。
かなり濡れてしまって正直気持ち悪かった。
新しいショーツを履くと、なんとなくすっきりした気持ちになる。
コンビニの袋からミネラルウォーターを取り出し、空になったビニール袋に自分の履いていたショーツを入れ、口を縛った。
ベンチの下には私のリュックがある。
その中に袋を入れてベンチに座り直し、髪を整えた。
「ん。じゃあまた今度。」
彼は電話を終えたらしく、こちらを振り返った。