第5章 【R15】濡らしてみた×リヴァイ
「ピース……サイン」
なんだと?
いや、確かにそうだけど。
『じ、じゃあ……これは』
試しに手遊びでお馴染みのアレを作ってみせた。
親指と中指、それから薬指の腹を合わせるアレである。
「キツネさんだ」
意識確認完了。
重篤な言語障害有り。
『早急に医師を呼びましょう……‼︎』
あくまで大真面目に焦りまくる私を見る兵長は相変わらずボーッとしている。
普段なら私の弄りに対して秒速でツッコミ……と云うよりただの飛び蹴りだけど、を入れてくるのに。
熱に脳が犯されたのか。
じゃなかった、侵されたのか。
それともこれが本来の兵長なのか。
いや、それは無いな。
私は恐らく前者であろうと推測して早馬を出す事に決めた。
『エレンに伝達を頼んで来ます』
お医者様に診て頂きましょうね。
子供に話し掛けるように優しく言葉をかけたが、兵長は何かがお気に召さなかったようで。
人類最強と謳われている御方が左右に首を振ってイヤイヤをし始めたのだ。