第5章 【R15】濡らしてみた×リヴァイ
「そこで何してる」
兵長は私と目が合うと弱々しく問うた。
まだ意識がはっきりしていないらしく、普段の威圧感は微塵も感じられない。
『いや……その、お粥を…』
あはは。
私は愛想笑いを浮かべて抱えていた盆を少し上げて見せた。
『勝手に入室してしまって申し訳ありませんでした』
素直に謝って兵長の返答を待つ。
しかし、当の本人はぼーっと私を見つめるだけで言葉を発する気配がない。
まるで魂が抜けてしまったみたいだ。
『……兵長?』
訝しげに彼の名を呼んでみる。
その問い掛けに兵長はハッとした表情をしてから拙い言葉を紡いだ。
「ああ……悪い…聞いてなかった」
どうやら相当重症らしい。
意識確認の必要を感じて今一度枕元に歩み寄る。
目を凝らして見れば兵長のシャツは汗でびっしょり濡れていて、その瞳には熱のせいか涙が滲んでいた。
『大丈夫ですか……?』
これ何本だか分かります?
兵長の眼前で二本指を立てて軽く振ってみせる。
すると思いも寄らぬ回答が返って来た。