第5章 【R15】濡らしてみた×リヴァイ
兵長が風邪を引いた。
対平地戦の立体機動訓練中に突然ブッ倒れたのだ。
慌てて兵舎に連れて帰ると熱が39度を超えていて、一時は意識も朦朧としている状態だった。
コン コン
『兵長……食事を御持ちしました』
控えめなノックの後、病体に障らぬようにと声を抑えて顔を覗かせる。
手に抱えたトレーにはリヴァイ班総出で作った“愛情たっぷりお粥”が乗せられていた。
『リヴァイ兵長……?』
そっと枕元に近付いてみる。
微かに聞こえる寝息。
少し苦しそうだ。
こちらに背を向けて寝ているので、せっかくの寝顔が拝見出来ない。
その事を心底悔しく思いながらも病床に伏せる上官を起こすまいと、私は抜き足差し足でドアへと向かうのであった。
「……?」
ギクリ。
兵長の声で名を呼ばれて肩が跳ねる。
しまった。
削がれる。
“てめぇ俺の安眠を妨害したな”
反射的にそんな台詞を吐く兵長を想像した私は震えながら恐る恐る振り返った。