第4章 【R18】食べさせてみた×高杉
「ククッ……へェ、酔狂な戯れもあったもんだ」
世で言うところの“あーん”を懇願すると、高杉さんは嬉しそうに唇を開いてくれた。
この方の為だけに取り寄せさせた異国の菓子。漆塗りの匙にそれを掬い取って彼の口へと運ぶ。
高杉さんの真っ赤な舌に白濁としたアイスが溶けて、なんだかいやらしい。
「旨ェ」
『ほんにかえ?』
「あァ……なんたって、お前さんが食べさせてくれてるからな」
甘味を食す御方なのかどうか、正直自信はなかったが喜んでもらえたみたいで一先ず安心する。
『世辞を言いなんし』
照れ隠しの台詞を口にしていると、急に高杉さんの手が伸びて来た。
「本心さ。惚れた女に食わせてもらえるなら……俺ァ、どんな下手物でも旨いと言うぜ」
優しい指が頬を撫でる。
私は、それ以上何も話すことが出来なかった。