第2章 【R15】閉じ込めてみた×土方
チョークスリーパー。
相手の背後から腕を回して頚部を圧迫する窒息系のプロレス技である。
要するに私の首元には土方さんの腕が巻きついていて。
身体がピッタリと密着している訳だが、窒息死寸前なので恋愛脳にかまけている暇は微塵もない。
『くっ……苦し、土方この…ヤロ』
「どうだ?ちったァ静かにする気になったか糞餓鬼が」
つーかドサクサに紛れて土方コノヤロー呼ばわりしたなテメェ。
土方さんは絞め技を緩めずに言う。
『……っ‼︎』
細いように見えて筋肉質な腕を連打でタップすると、土方さんはようやく力を弱めてくれた。
やっと息が出来るようになって酸素で肺を満たす。
死ぬかと思った。
否、殺されるところだった。
未だ土方さんの腕中にホールドされたまま唸るように言葉を紡いだ。
『部下虐待で訴えてやる』
「上等だコラ。上司の名誉毀損で反訴してブタ箱行きにしてやるよ」
『……チッ』