第6章 キスをして
「カンパーイ!!」
わいわい、と男女で盛り上がる中、新八は深いため息を吐き出した。
合コン、と称しただったが、実際はただの飲み会のようなものだった。
が幹事となり仲の良い男女を適当に誘っただけのようで、学部も学年もバラバラな上人数が多い。
居酒屋の座敷で料理を囲い、近い者同士自己紹介やら何やら、それこそバラバラに適当に始まった。
の隣に座る新八は落ち着かないまま焼き鳥を頬張る。
あんまりこういうの好きじゃないのに……
「新八くん? だよね、」
「え? ああ、え」
と他の学部の男子に挟まれていた新八だが、その男子に「ごめんね~」と謝り間に入った女子が笑う。
何だか見覚えがあると思えば、先日の元に来た銀子である。
「隣いい?」
「あ、え、別にイイですけど……」
にや、とが楽しそうに笑うのを空気で察し赤くなってバッと見る。
はわざとらしくパッと隣を向き他学部の女子に話しかけていた。
この野郎、 と歯を軋る新八に銀子が「と仲いいんだね」と笑った。
「いや、仲いいというか、腐れ縁というか」
「そうなの? でも何かいいね、そういうの。羨ましい~」
「こいつと縁あっても別に嬉しくありませんよ……」
「あはは」
何か飲む? と銀子が訊ねてくるので、何も答えないのも悪いと烏龍茶を頼んだ。
酒はあまり強くないのである。
対して、酒の入ったグラスを持った銀子が可愛らしく微笑んだ。
「カンパイ!」
「か、乾杯……」
可愛いな、と内心ドキドキしながら烏龍茶を飲む。
いくら顔がそこら辺の女子より可愛いなどと評されようが、新八はれっきとした男である。胸の高鳴りを隠しながら何気なくを見ると目が合った。
「?」
「……」
一瞬ひやりとしたものを感じた新八だが、は何でもないように微笑んで向かいの女子と話を始める。
何だ? と眉を寄せると、隣に座る銀子がさらに 距離を縮めてきたのでドキリとする。