第4章 責任とらせていただきます!
昔から無鉄砲だ頑固だ何だと言われてきた。
大人になってもそれは直らず、俺は未だにこういう切羽詰まった状況に陥ると自分でもよくわからない行動に 突っ走ることがある。
結局途中から諦めて大人しくついてきたを引き連れ、俺は先日訪れた飲み屋にやって来た。
ガヤガヤとした中に入り、席に案内され早速注文する。
「とりあえず生二つ!」
「って飲むのか!?」
「当たり前だろ、この前来た時だって飲んだんだから。あの日の行動を辿るん だ!」
「辿ったら意味ねえだろ!」
しかし店員は既に注文を入れていて、もぐぐっと拳を握ったがやがてため息をついて座った。
「前から思ってたけど、お前って時々すげえ強引だよな……」
「何言ってんだ、これはあの日の真相を思い出すためだろ」
「ホントにこんなんで思い出せんのかよ……」
運ばれてきたジョッキを手にとりあえず乾杯。
俺は勢い良く飲むが、は珍しくチビチビと飲んでいる。
やはりこの前のことが気になるらしい。
そりゃそうか、俺はまだいいとして、こいつは十中八九俺に突っ込まれてんだもんな。
イケメンで性格も男らしくて女には困らないこいつが男にケツどうにかされたなんてショックだろうな。
今彼女いねえらしいが。
「よしもう一杯!」
「お前ホントに思い出す気あんのかよ!」
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「んあ~……ぐらんぐらんするー……」
「言わんこっちゃねえよ……ほらしっかり歩け、もうちょいだ」
すっげえぐらぐらする。
多分隣にいるのはで支えられてんのはわかるんだ が足が言うこと聞かねえ。
調子に乗って飲み過ぎた。
「ったく……こんなになっちゃ、思い出すも何もねえじゃねえか」
「あー大丈夫大丈夫」
「何がだよ酔っぱらい、こちとら全然大丈夫じゃねえんだよ」
「はっはっは!!」
「……はあ」
あー何か楽しくなってきた。
このの呆れたような困ったような顔は好きだな、何かいい。
ふとガチャっという鍵を開けるような音が聞こえて、何かと顔を上げるとぼんやりとベッドが見えた。
「んあー……」
「この前来たホテルだよ。ここがあそこから一番近いんだな……辿るつもりはねえけど、俺は隣泊まるから」