第3章 マヨのお仕置き
「……」
「…」
「ん…」
また唇が触れる。 3度目は、流石に軽く触れるだけ。
少し気持ち悪いぐらい優しい。
「土方さん…」
「なんだ」
「実はお酒とか飲んでますか?そしてキス魔ですか?」
「お前は…あくまでも現実逃避する気だな」
「だって…ぇあっ」
副長は俺の首根っこを押さえ、喉元を食む 。
「ちょ、くすぐったぃ……痛ッ?!」
唇が触れて、舌先で舐られる感触がする。
そう思っていたら、喉にビリリと刺激が走った。
「何するんですか、土方さん変ですよ、今日」
「あぁ…俺もそう思う」
「ッ――」
口にしながら、土方さんが更に降下するのがわかった。 器用に上着やシャツを肌蹴ながら、生暖かい舌、唇が肌を滑って下りる。
「ぇあっ…わ…」
疲れているのか、上手く力が入らない。 絶対に、このままで良いわけないのに、土方さんを押し返すことが、跳ね除けることができ ない。
カチャ――
でも流石に、バックルの擦れる音には、身体の方もいい加減焦ってくれるみたいで、俺はようやく土方さんを押し退けた。
「――っ土方さん!」
「…」
こっちをじっと見つめる副長。少し顔が怖い。
「お前には…こっちの方がいいみたいだな」
そして、小声で呟いた。
「え…うわっ!?」
気がつけば両手を取られて、身体を押されて、ベッドに押さえつけられていた。
衝撃はベッドが吸収したけど、精神的なシ ョックみたいなのが、頭の中でグワングワンと反響している…感じがした。
気のせいだとは思うけど、この人からのこの扱いは、その程 度にはショックだった。
「あの…」
副長は、冗談でこういうことをしているわけではないらしい。