第3章 マヨのお仕置き
「大丈夫です、今日は栄養ドリンク4本飲んでます」
なんとか安心させようと、この晩の気合の入り様を告げる俺。
「…今すぐ代われ」
が、土方さんから帰ってきたのは冷めた声。
「え、大丈夫で――」
「代われ」
「はい…」
怒鳴られるのも嫌だが、こういう冷めた感じはそれはそれで怖い。
仕方がなく、路肩にパトカーを停めて土方さんと席を代わった。
「…」
再びパトカーが動きだし、元の速度に戻った所で土方さんが口を開いた。
「下手したら、お前…俺に――」
「…へ?」
小声で、うまく聞き取れなかった。
「なんですか?」
「…なんでもない」
「…なんでもって…」
「気にするな」
「え…はい…わかりました」
「寝ないで周りに目を光らせてろ。寝たら正座じゃ済まさないからな」
「はい!」
とりあえず、気にしなくていいらしいので気にしないことにした。
俺は背筋を正すようにシートに座りなおすと、目だけで不審なものがないか外を窺う。
「……」
それ以降は、土方さんもとくに話しかけては来なかったし、当然、俺からは話しかけなかった。
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「ぁ…あれ…?」
目を開くと、朝だった。 朝も朝…早朝だった。
ひょっとしたら夕方だったかもしれないけど…多分朝。 愛でる人も居ないのに、何故か定期的に業者の手入れを受けている真選組の屯所の中庭。
その縁側で、俺は目を覚ました。
「見回りは…終わった?」
仕事を寝過ごした?あの土方さんと一緒に見回っていたんだから、そんなことは許されないはずだ。