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銀魂のススメ

第13章 君と一緒っっ!


頬から紙切れを剥がしたが、それがなんであるかを確認して、慌てて背中に隠した。

「ちょ!銀さんっ!!」

真っ赤な顔をして勢いよく銀時の顔を見たに、銀時が言う。

「行ってきな。で、帰ってくんなよ?」

とナツミさんが抜けていった居酒屋の個室。
合コンメンバーは皆、何故か巣立って行った我が子を見送るような心境だった。

「童貞なんだって?くん」

「そうそう。上手く行くとイイよなー」

「だねー。」

そんな会話が流れ、元々の為に仕組まれた合コンは、が居なくなったことでそのままお開きムードとなった。

「じゃあ、神威くん、あたしの家まで送ってくれ ない?」

学園のマドンナが、瞳をパチパチとさせながら言う。

「別にいいけど…。」 そう答えた神威の声に被せるように口を開いたのは、銀時だった。

「駄目。コイツは俺と、今からヤらなきゃいけないことがあるから。」

銀時がそう言うと、学園のマドンナは残念そうな顔をしながら、「じゃあ、また今度ね」と、ウインクをしながら居酒屋から立ち去っていった。

他メンバーも去ってしまい、残されたのは銀時と神威、ただ二人。
銀時が、テーブルを挟んで向かいに座る神威のことを見ながら言う。

「俺の勝ち、だな」

ニヤリと勝ち誇ったように笑いながら。
は、ナツミさんを連れて行ってしまった。

が神威のことを想ってそうしたのは、分かる。 いつだって、そうだったから。
が必死に神威の後を追うのは、神威とずっと 一緒に並んで歩いていきたいから。
は、いつだってそう想っていてくれた。

分かっていたはずなのに、がお持ち帰りをしないと賭けたのは、少しでも自分と同じように想ってくれていたらという、神威のささやかな願いだった。

分かっていたはずなのに。
はナツミさんを連れて出ていった。
賭けは、神威の負けだった。
と神威。 二人の気持ちが、少しずつズレ始めていることに、神威は気付いた。

「賭けに負けたら、どうするんだっけ」

ニヤニヤと、実に愉しそうに笑いながら銀時が言う。

神威は、銀時のその顔にトイレで言われたことを思い出した。
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