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銀魂のススメ

第13章 君と一緒っっ!



これ以上、神威に置いてかれたくない。

「……あの、二人で抜けませんか……?」

女慣れしていなそうな美少年が、緊張でガチガチ になりながらも、精一杯の誘いを口にした。

それが、女の目にどう映ったか。
重ねられたの手は、心なしか震えていた。

「……」

何も言わないナツミさんを上目遣いに仰ぎ見ながら、は慌てて口を開く。

「…あ。やっぱ駄目っすよね…き、気にしないで下 さいっ!」

それを、女はどう思ったのか。

私の為に、勇気を振り絞って……私の為に?
キュキュキュキューン!と、女のハートを鷲掴みにされた。

「いいわ、行きしょう!今すぐ二人きりになれる 場所に行きましょう!」

の懇親の誘いは、成功した。

「ま、マジすか…!やったぁ…!」

これで神威に一歩近付ける!

嬉しさのあまり、が神威に視線を向けたら、 のことを見ていた神威と目が合った。

いつから見られていたのか。そんなことを考えな がらも、はこの成功を神威に伝えたくて、その顔を笑顔にしてピースサインをしてみせた。

上手くいった、みたいだな。

神威からは遠くて、とナツミさんの会話は聞こえて来なかったが、のその笑顔が全てを物語る。

分かってる。

分かってた。

昔から、そうやっては神威のあとを必死に追いかけてきた。

がどういう気持ちで「童貞を卒業したい」と口にしたのか。

神威には、ちゃんと分かっていた。

自分に笑顔をぶつけてくるを見て、神威は声には出さないが「良かったな」と口パクで言いながら、笑い返してみせた。

良かったと言ったのは、神威の本心だった。

「じゃあ、行こっか、くん」

神威に笑いかけられて、その笑顔に見惚れていたにナツミさんが声をかけた。

どうやら抜けるらしい二人の会話に気が付いたのはの左隣に座っていた銀時。

「良かったな、ー。コレは俺からの餞別だ」

餞別といいながら、銀時がの頬にペチッと貼付けたのはラブホテルの割引チケットだった。
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