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銀魂のススメ

第13章 君と一緒っっ!


明らかに動揺している生意気な後輩を見て、銀時は薄く目を細めて笑いながら言う。

「約束だ。お前が賭けに負けたときは、ちゃんと守れよ?」

ポンと神威の肩を軽く叩いた銀時は、満足気な表情をしながら神威を一人残してトイレを立ち去っていった。
神威の耳に、銀時の独特のハスキーボイスを遺して。

神威が部屋に戻った頃、は隣に座る女とイイ雰囲気になっていた。
相変わらずガチガチだったけど、程よく酒の入っ た頭と、積極的な女のおかげ。

絶対に今夜童貞を卒業してやる!

の気持ちは、「女を紹介しやがれ!」と叫ん だ3日前から全く衰えていなかった。

性欲とか、そういうのじゃない。
女の人を目の前にしても、の頭の中にあるのは、ただ一人だった。
神威に追い付きたい。 いつまでも神威の隣に居たい。
ずっとずっとそうやって生きてきた。これからだって、ずっと…。

だから、絶対童貞を卒業しなきゃなんねーんだ!

合コンに参加すれば、いつも結構イイ雰囲気までは持っていける。
だけど、あと一歩という惜しいところで獲物に逃げられてしまうのは、の気持ちの問題だった。
ナツミさんの長い指が、そっとの太股に触れ、はその身体を硬直させた。

正直、女の子とどう接していいかが分からない。 いつものなら、そこで固まったままで終わる。
ただあと一歩自分が踏み出せば済む話なのに、それが出来ないのはの中に強い想いがないからだった。

は、自分の太股に触れたナツミさんの手の上に、自分の手を重ねた。
やべー……、すごく緊張する……

それだけで体温が上がり、顔が真っ赤になってし まう。 怖じけづいて、手を離そうかとしたところで、の視界の中に神威の姿が入り込んだ。
学園のマドンナとか呼ばれている美人の先輩と、 ちびちびと酒を飲みながら普通に会話を楽しんでいる様子の神威の姿。

ガチガチの俺とは大違いだ……

怖じけづきそうになったの気持ちにブレーキが掛かった。は、重ねた手で、ナツミさんの手を包み込むように握って、それから神威のことを考えながら、精一杯言葉を絞り出した。
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