第13章 君と一緒っっ!
を茶化したヤツとはまた違うヤツが、神威にそう尋ねた。
聞かれた神威は、あっけらかんとした口調で答えた。
「いや?もう卒業したけど?」
の耳にはしっかりと届いた、神威のその返事に、そりゃあそうだろよ…とは心の中で呟いた。
神威が童貞を卒業したことは、突っ込まれた俺が一番よく知っていることだった。
なんでも神威と一緒じゃなきゃダメなんだ。
それは、神威と同じ日に生まれてずっと一緒に育ってきた、にとっての決定事項。
なんでこんな大切なことを忘れてたんだ、俺 は!!
床にしゃがみ込んでいたは、拳を強く握り再び立ち上がった。
そして、立ち上がった俺は、声を張り上げながら言う。
「女紹介しろっ!オンナ!!」
神威は童貞を卒業したのに、自分はしてない。
処女を卒業しただけで、童貞を卒業したことにはならない。気付かなければ良かった事実には今、気付いてしまった。
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「女紹介しやがれ!!」
が、教室の中心でオンナを叫んでから3日が経過した。
放課後、便所の鏡の前を陣取って、念入りにワッ クスで髪型を整えるをみた神威。
その仕草を、可愛いなーなんて思いながら、神威がの肩に腕を回しながら話掛けた。
「ねぇ、今日の夜、僕の家に来てよ。」
その日は金曜。明日は学校が休み。最近はしてな かった。
要するに、一晩中しこたまセックスしようぜっていう誘いだった。
もちろん、も誘いに乗るはず。そう踏んでいたの読みは、あっさりと否定された。
「ムリ。俺、今日合コンだから。」
ワックスでベタベタになった手を、水で洗い流し ながらが言う。
「ん?合コン?僕、聞いてないよ」
神威が鏡に映るにそう言うと、も鏡に映る神威に向かって答える。
「だって、言ってねーもん。」
「………」
なんてことだ…… 今日はベッドの上でめ一杯を可愛いがってやるつもりだったのに……
神威は、自分の下半身を一度見たあと更にを抱き寄せ身体を密着させながら言う。