第10章 黄と出逢う
翌日
相手校へ向かっている途中、黄瀬君はテツ君にこんなことを言い出した
黄「黒子君、一つ提案なんスけど…。どっちが点多く獲れるか勝負しねぇスか?もし俺が勝ったら…そのユニフォーム俺にください♪」
黒「嫌です。もしチームが負けたらその勝負どうなるんですか。」
黄「そりゃー、それでも点を撮った方が…」
黒「というか無意味です。柄ではないですが、教育係になった以上一言言わせてください。チームで大事なのは自分が何をすべきか考えることです。」
黄(何をすべきか……?)
(黄瀬君はテツ君の言ってる意味が分かってないみたいだね… この試合を通して分かってくれれば良いけど……)
練習試合の相手校はかなりガラが悪くたちの悪いヤジが飛んでいた
ラフプレーの連発、審判の自チーム贔屓、黄瀬君への当たりのキツいダブルチーム
点数は離されたまま、帝光と相手チームの点差は縮まらずピンチに追いやられた
そこでテツ君の投入
黒「すいません、力を貸してください。僕は影だ。点を獲る光は黄瀬君です。」
テツ君はそう言って試合が再び開始
テツ君の変幻自在のパスのおかげで、帝光の皆は次々とシュートを決めていった
黄(まさか、影の薄さを逆に利用してパスの中継役に? そんなのアリか⁉︎)
黄瀬君も最初はテツ君のパスに戸惑っていたけど、ようやくテツ君のチームでの在り方を理解したらしい
黒「ボールから目を離さないでください。点差が点差なんで、本気でいきます。」
テツ君がそう言うと黄瀬君は笑って、2人は次々と連携プレーでシュートを決めていった