第44章 私の気持ち
きっと皆に私が何故泣いたか話しても分からないだろう
自分自身もよく分からなかった
ただ隣で泣いているテツ君と荻原君の顔を見たら、涙が出てきた
優勝したとき、皆の顔はちっとも嬉しそうじゃなくて冷め切っていた
これが〝勝利〟なのかな……?
皆が本気で試合に臨めない気持ちも分かる
それだけ皆は強すぎる
そして〝勝つこと〟が当たり前になってる
じゃあ、負けたら変わってくれるのかな?
〝勝つこと〟だけが全てじゃないってこと分かってくれるのかな?
でも私だけじゃ彼らに勝つことはできない
テツ君は本当にバスケをやめてしまうの?
あんなにバスケが好きだったのに
色んな思いが渦巻いていた