第41章 黒の怪我と親友との約束
荻原「ちょっと待てよ」
『……‼︎』
私と赤司君は立ち止まった
荻原「アンタ… バスケやってて楽しいか?」
赤「……質問の意味が分からないな」
荻原「黒子のことはすげぇ悔しいけど、それを今ここでどうこう言うつもりはないし、ウチが眼中にないことも覚悟はしてた。アンタらは強いよ。けど試合に勝ってるだけじゃないのか? それ以外何も感じなかった。勝ち負け以上に大切なことだってあるだろう?」
赤「…それが楽しむことだとでも言うのか? くだらないな。負けても楽しければ良いなど、敗者の言い訳だよ」
荻原「負けたら悔しいさ‼︎ けどだから次は勝とうって頑張れるし、勝ったとき嬉しい‼︎‼︎ だからバスケは楽しいんだ‼︎‼︎」
『………‼︎‼︎‼︎』
(この人はテツ君と同じだ… 同じ目をしてる… 純粋にバスケが好きで、勝つことも負けることも努力することも全部含めて楽しいって思ってる)
赤「やはり響かないな、何も。負ければ結局ただの綺麗事だ。時間の無駄だったね。言う通り眼中にないよ。実力も言葉も」
赤司君はそう言って、私の腕を引き再び歩き出す
私は荻原君の方に振り返って、気づいたらこんなことを叫んでいた
『私はあなたの考えの方が好きです‼︎‼︎ きっとテツ君もそう‼︎‼︎ だから……』
赤「………‼︎‼︎」
荻原「っ‼︎‼︎ 黒子に、絶対またやろうとだけ言っといてくれ……‼︎」
『はい‼︎ 絶対……絶対伝えます‼︎‼︎』
荻原「……ありがとう」
そして私たちは荻原君と別れた