第38章 それぞれの想い
相変わらず大輝とあっ君と、それから涼太も練習へ来ることが少なくなった
それでもチームはどんどん強くなっていく
メンバーは変わっていないのに去年とはまるで別のチームのように、パスはなく各々が勝手に点を獲る
ただそれだけで相手を蹂躙する
けれど、そうして前以上に圧勝するようになっても、もう誰も笑わない
勝利というノルマを無感動にこなしていく
テツ君も試合には出ている
けどそれはあくまで主力温存時の交代要員として
本人もそれを自覚し、それでも与えられた時間は懸命にプレイする
テツ君と一緒にシュート練習をしたあの日から、彼の笑顔をずっと見ていない
そして、最後の夏がくる