第37章 もう1人の赤
赤司の豹変
だが、それによる周囲の反応は思いの外静かなものだった
一軍部員は白金監督が倒れ真田コーチが監督を継ぐさいに昇格降格テストを行い、新体制移行直後で彼のことをまだあまり知らない者が大半だったこと
部活以外での学校生活においては彼の態度に今までとさほど変化はなかったこと
変化に気づいたのはその場にいた“キセキの世代”達のみで、気づいたところで何もできずただ困惑するのみだった
特に赤司の友香に対する態度は異常で、友香が自分以外の部員と絡んでいると、すぐ引き離し友香を自分の側に置く
友香は最初こそ赤司に抗議していたが、赤司がそれを聞き入る訳がなかった
それでも他の部員たちにマッサージやストレッチを施していると、その部員たちはいつの間にか退部していた
赤司がそれに絡んでいるのは明らかで、友香は赤司の言うことを聞くしかなかった
そして、青峰も紫原も部活へこなくなり練習の雰囲気は殺伐としていくばかりだった